
タッチパネル機能をもつ携帯電話を作ったキャリア
デジタルホンとは日本テレコムが主導で設立をした携帯キャリアであり、当時としては画期的な携帯電話を生み出しました。
デジタルホンが手がけた携帯電話には1996年に発売された「DP-211」という機種があります。この機能の最大の特徴は全面タッチパネル機能が採用されていることです。今でこそiphoneなどでタッチパネル機能は当たり前のように使われていますが、当時はまだそうした機能は存在せず、このデジタルホンの「DP-211」がタッチパネル機能の先駆けと言われています。
1997年には「DP-211」を発展させた「DP-212」という機種を発売しました。ショートメールサービスである「スカイウォーカー」が使えるようになり、さらに手書きメモやスケジュール管理などの機能が新たに登場しました。また、スカイウォーカの機能をタッチパネル上で使えるようになっているので、今のiphoneと同じように扱えるのも特徴の1つです。
このようにデジタルホンは全面タッチパネル機能を使った革新的な携帯電話を生み出していきましたが、1999年に登場した「iモード」が大人気になってしまった影響で「DP-212」以降はiphoneが登場するまでタッチパネル機能をもった携帯電話は作られなくなりました。
デジタルホンがJ-phoneに変わるまで
日本テレコムが主導となって1991年に携帯電話キャリアであるデジタルホンが設立されました。その後、関西地区や、東海地区に支社が設立され、1994年から本格的に営業を開始しました。この年は携帯電話の端末が自由に販売できるようになった年であるため、NTTドコモをはじめ日本移動通信、ツーカーセルラーなどと携帯電話のシュアをめくり激しい競争をおこなっていたのです。そのときの競争によって携帯電話の端末が安くなったり、サービスが充実していくなどの変化が発生し、ユーザーにとってはありがたい変化となっています。
また、シェアの取り合いではNTTドコモが優位になっていく中、デジタルホンは8%から9%ほどのシェアを確保していました。シェアを確保できた理由としては、デジタルツーカーとローミングをつかったサービスを展開していたことや、月々の使用量をシンプルにまとめたパック料金制度などをいち早く導入したことが挙げられます。
デジタル分とデジタルツーカーとはビジネスパートナーという位置づけだったのですが、シェアを拡大し続けていたNTTドコモに対抗するために合併することとなり「J-phone」という企業が生みだされました。